DONNECT

外科医と病院経営の二刀流

医師インタビュー

掲載日 : 2021年8月23日


略歴:
冨尾亮介先生

医局人事を離れ、自身の手で診療所開設。外来診療だけでなく手術も積極的に行う。

2008年 慶應義塾大学医学部卒業
2010年 慶應義塾大学脳神経外科学教室入局
2022年 本庄脳神経外科・脊椎外科開院予定

本庄脳神経外科・脊椎外科:19床の病床を有する有床診療所。外来だけでなく、手術や救急患者の受け入れ、リハビリも行う。

資格
日本脳神経外科学会専門医・指導医、日本脳神経血管内治療学会専門医・指導医、日本脳卒中の外科学会技術認定医、日本定位・機能外科学会機能的定位脳手術技術認定医、日本臨床神経生理学会 専門医(術中脳脊髄モニタリング分野)、日本脳卒中学会 認定医、ECFMG certificate

DONNECT:本日はお忙しい中、お時間いただきありがとうございます。よろしくお願いいたします。

冨尾Dr:よろしくお願いします。

 

 

DONNECT:早速インタビューに入らせていただきます20224月から19床の有床診療所を開院予定とのことですが、今の時代にいわゆるクリニックではなく、手術も救急対応も行う診療所を作るのはかなりすごいですね、、どのような経緯で診療所の開設を思い立ったのですか?

冨尾Dr:端的に、自由に自分自身の理想とする診療を行いたかったからですね。勤務医としては所属施設で必ずしも行いたい医療が出来るとは限りませんし、組織の年功序列の中では裁量権を得るまで長年待たねばなりません。自分の理想とする医療を提供したい、でも手術も捨てたくない、年齢的に勝負するには今しかない、という思いでこの診療所の開設に至りました。

 

 

DONNECT:冨尾先生は手術の腕も良いと伺っておりますし、脳血管内治療指導医も持ってらっしゃいますよね。それでも、自分で施設を作って手術を行うというのは驚きます。いつ頃から構想はあったのですか?

冨尾Dr:3.4年前からですね。コンサルタントの方と色々な場所を探しました。医院継承含めて探したのですが、やっぱり地価などのコスト面や周辺施設との競合を考えると首都圏は厳しくて、、現在群馬県で働いているのですが、埼玉県本庄市は偶然脳神経系の急性期治療や手術治療を提供する医療施設が不足しているのですね。救急患者も越境して群馬県に搬送されることが多い。そのため、幸いにも医師会や行政の後押しがいただけたのでここにしました。

 

 

DONNECT:医局人事を離れようと思ったきっかけはありますか?

冨尾Dr:夜中に緊急手術をいくらやっても給料に反映されなかったり、地域医療に貢献するために脊椎など病院にとって新しい分野を始めようと思ってもなかなか認められなかったり、、そのようなことが重なって少しずつ独立の考えがでてきましたね。外科医として臨床留学の選択肢も考えてUSMLEも取得したのですが、個人的な事情もあって結局覚悟がつかず、最終的には独立の道を選びました。

 

 

DONNECTUSMLEもお持ちなのですね。他に何かやっていたことなどはありますか?

冨尾Dr:大学院時代の研究テーマが術中脳神経モニタリングや電気生理学で、結構それが面白くて論文を書いたりもしていました。術中脳神経モニタリングの知識は今も手術の安全性に生きていますし、科研費を取って研究も続けています。

 

 

DONNECT:確かに、論文も多数書かれているのですね。本当にやり切った上での決断だったのだなと思います。診療所開設にあたって大変だったことはありますか?

冨尾Dr:場所選びと金銭面ですね。場所選びは前述した通りで、金銭面はオーナー企業がでてきてくれたので、そこと提携してやっています。

 

 

DONNECT:今後のビジョンはどのようなものでしょうか?

冨尾Dr:地域の患者さんが安心して脳と脊椎の手術を受けられる病院にしたいですね。そのためにも積極的に最新の技術や設備を取り入れていきたいですね。また、脳や脊椎の診療にとってリハビリは非常に重要ですが、地域には供給が不足しています。いずれは地域内で急性期治療、手術治療からリハビリまで完結するようにしたいと考えています。

 

 

DONNECT:最後に、若手医師に一言お願いします。

冨尾Dr;僕も悩んでいるからな(笑)あまりかっこいいことは言えないですが、率直に思うのは、自分が好きなことややりたいことは諦めて欲しくないですね。それは最大限活かして欲しいです。一方で好きなことを貫くには何かを捨てたり犠牲にしたりすることも時には必要になってきます。僕自身、そこの取捨選択を見誤らないようにといつも悩んでいます。

 

 

DONNECT:ありがとうございます。これでインタビューを終わります。今日は貴重なお話をありがとうございました。